はちきれることのないブラウスの会、
それは地獄の世に咲いた四輪の花。
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下の記事でも長谷川さんが申し上げている通り、 はちブラは先日、玉津会館という所で 稽古を致しました。 ただ、稽古の殿堂とも呼ばれる玉津会館、 おいそれと誰でもそこで稽古出来る訳ではありません。 書類選考で実績を、 オーディションで実力、将来性を見極められ、 厳しい審査を潜り抜け、晴れて稽古が出来るのです。 しかし、はちブラメンバーとて万化での歴戦の実績、経験もあり、 その実力は決して余所に劣るものではありません。 事実、オーディション当日のネタ見せも 上手くいったと聞いています。 「チィちゃんのアラベスク、今日も冴えてたね!」 「はるさんの横山弁護士モノマネも最高でしたよ!」 「ま、今日の出来なら合格は間違いないでしょ」 オーディションを終えた安堵感から 四人はいつも以上におしゃべりです。 「あら、えらく騒がしい思えばはちブラの皆さんじゃない」 四人の歩く廊下を、 黒ジャージの集団が立ちはだかりました。 「あんたたち……、 『いきいきぱそこん』の連中!」 『いきいきぱそこん』とは、 「IT演劇」を標榜し、 ここ玉津会館を根城とする新進気鋭劇団です。 「もしかして、あの出来で受かった気でいらっしゃるのかしら。 相変わらずおめでたい方達ね」 「何だと!!」 「ねぇ、彼女たちの合格する確率を計算して差し上げて」 「はいリーダー。(カタカタカタ…)出ました、2.4%です」 「おほほほほ、残念ねぇ」 「この野郎、言わせておけば!」 「相手にしちゃダメよ。行きましょう」 血の気の多い長谷川さんを、 大沢さんが冷静に制し、 そして、いきいきぱそこんの方をギロリとひとにらみ。 「いきいきぱそこんさん。 そんなに突っかかって来る所を見るに、 余程私たちのことが怖いと見えますが?」 「何ですって!?」 『いきいきぱそこん』の面々から俄に殺気が立ち上ります。 「2週間後、またここでお会いしましょう。 ごきげんよう」 そして、合格発表当日、 スタッフが合格者の名前を読み上げ、 壁にそのパネルを掲示していきます。 「2051番、くちなしの会様、…… 6537番、玉津作業所様、……」 「私たち、全然呼ばれませんね…」 村井さんが心配そうに呟きます。 「大丈夫、あんなに上手く出来たんだもの、 きっと大丈夫よ」 有元さんは自分に言い聞かすように励まします。 「4035番、いきいきぱそこん様」 いきいきぱそこんの面々がワァと歓声をあげています。 「ああ、もうダメ…」 「それでは最後の一枠です。 ……4036番、 はちきれることのないブラウスの会様!」 四人は一瞬何が起こったのか分かりませんでした。 しかし、目の前には確かに漆黒の板に純白の文字で 「はちきれることのないブラウスの会様」と書かれているのです。 「おめでとう、はちブラの諸君」 口ひげをたくわえた老紳士が、 喜ぶ四人に近付いてきました。 「あ、貴方は?」 「ワシは玉津会館館長、玉津栗太郎。 諸君らのオーディションは見せてもらった。 技術はまだまだ荒削りじゃが、キラリと光るものがある。 本番も楽しみにしておるぞ」 「は、はいっ!」 そんな光景を見ていたいきいきぱそこんリーダーが チッと舌打ちしています。 捨てる神あれば拾う神あり、 彼女たちは地獄で仏に会ったような気分でした。 しかし、これはようやく未来への扉に手を掛けたに過ぎないのです。 まだまだ勝負はこれからなのです。 PR ※ Comment
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